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2016年 02月 02日
虚像 日本の風景
開催日時:2016年2月2日(火)〜14日(日) 12:00 〜 19:00 月曜休 奥西果奈 HP : http://okunishikana.noor.jp パーティー 2月7日(日)17:00〜 (油彩、立体、ドローイングなどの展示) SIGH 彼女は今、工業製品である金属の線材の均等な太さ、均質な柔軟性を生かした立体作品を制作しているようです。私は、同一のテーマのもとに制作された一連の作品が醸し出すある種抑制的な雰囲気に注目しました。そこには、現代彫刻の多くに通底する技法の特徴がみてとれると思います。柔軟で均質な金属の線材で構成された作品の構造が、間断なく無秩序をほのめかす物質的均質性から威嚇されていることに起因する抑制的な雰囲気。ねじれ、折れ曲がる直線や点在する平面など作品を構成する具体的な要素が、それら微振動しているものに威嚇されています。不連続で、無意識の混乱のようなものからの威嚇です。そのことが、ある種の現代美術作品において絶えず空間の再調整を促すことになります。複合素材による作品も含む工業製品のこの種の消費(?)は、もっとも確率の少ないものから多いものまで、または、秩序ある個性から一種の混乱に至るまで、あるいは差異性から同一性まで、制作者、鑑賞者を区別することなく一貫して類似した警戒心を起こさせます。そして、制作者はこのような状況に対する予言もしくは警戒心を社会的関係において言い換えるか、もしくは追体験のようなことがらとして再調整する必要を感じるのかもしれません。これが現代彫刻の多くに感じられる抑制的な雰囲気の一つの原因であり、画家である彼女の立体作品がもつものでもあります。今彼女は沈黙し、耳を澄まして作品の空間的構造から逃れ去る混合大気のたてる吐息のようなかすかな音を聴いているのかもしれません。柔軟な金属線材により構築された空間の揺れ動く形体の一瞬の凍結を模索しつつ。それでもなお、画家として純粋な絵画の存在を確信し……。 彫刻家 建畠朔弥 奥西さんの作品のモチーフは日本の伝統的な寺社や庭園であったり、ゲームや量子コンピュータ、法律や社会制度など、一見なんのつながりもなさそうな事柄がシンプルに記号化されたイメージで描かれています。 最近取り組み始めたワイヤーを使った立体作品も、彼女の量子コンピュータの記号イメージを実在化したものです。展覧会企画のなかで奥西さんと話をしていて「設計図が描きたい」という話が有りました。 それは美術の原点であるアイコンであり、過去と未来をつなぐイメージの設計図でもあり、未来への希望の絵なのかもしれません。 展示企画 写真家 長沼宏昌 「奥西果奈/虚像 日本・植物」 2012年2月11日[土] - 2月26日[日] HIGURE 17-15 cas http://hgrnews.exblog.jp/17369312
by higure17-15cas
| 2016-02-02 20:51
| exhibition
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